豊橋競輪場

まくる君の部屋

競輪酒場「郷愁劇場」


第一話 まくる君語録「まくる君だもの」
第ニ話 煩悩対談「菖蒲の部屋」
第三話 競輪酒場「郷愁劇場」
  第一夜 昔の競輪場
  第二夜 開場ラッシュ
  第三夜 閉鎖された競輪場
  第四夜 競技自転車
  第五夜 脚質:「逃」「両」
  第六夜 脚質:「追」
  第七夜 車券戦術:連単・連複
  第八夜 車券戦術:ナガシ・ボックス
  第九夜 選手の心理
  第十夜 豊橋競輪を考える
第四話 目隈蓮太郎「蓮太郎が行く」

いつも競輪場の三角スタンドからバンクを見つめる男 大外郷愁。
そのミステリアスな競輪哲学を紐といて、今日も競輪を熱く語ります。

第一夜:昔の競輪場

大外郷愁やあ皆さん、競輪酒場「郷愁劇場」へようこそ。お相手は競輪哲学詩人『大外郷愁』。
今夜のテーマは『昔の競輪』、今日も飲んだくれて語っていますよ。

競輪は昭和23年、九州小倉で始まったというのは皆も知っとるじゃろう。「競輪祭」もあるしの。その後、昭和23~24年にかけて、戦後復興のムーブメントの中、全国各地に競輪場が開設され、どこもそれなりに好評を博していたようだ。

豊橋競輪場も掘り下げ式のバンクに立派なスタンドが併設さえた施設が写真に記録されておるのぉ。正門を入って左手の湯茶コーナーのショーケースに写真もあるから、一度見てみるといいぞ。コーナーサイドのスタンドは土手のノリ面のようになっており、牧歌的な一面も残しておった。当時まだ小学生だったわしは、土手でばったを取ったのをおぼえておる。

選手のユニフォームや自転車も、今とはだいぶ違っていて趣深いぞ。中には女子の競輪や、イベントとして一般参加の競輪なども開催され、人気を得ていたようじゃ。当時の競輪選手というのは、それまであった自転車競技から発展したわけではないので、だれもがそこいらの脚自慢に毛が生えたようなものじゃったのだが、回を重ねるごとにだんだん選りすぐられて、一般人とは一線を画する突出した者同士の戦いが展開されるようになって、競技としても賭け事としても人気を得ていったのじゃ。ただ女子競輪は、その突出した選手が数名しかおらず、競技としてはまだしも賭け事として成立しなくなり、やがて廃止されてしまったのじゃ。その後はアマチュア競技でも自転車女子はいまひとつ、夏場の練習メニューとして自転車を利用しているスケート選手に代表の座を奪われたりと残念な状況じゃが、さすがに男子は頑張っておってわしは嬉しく思っておるのぢゃ。

ああ、もうこんな時間じゃ、暖簾をしまうとするか。今日もお客は誰もこんかったわい。